こんにちは!ひなテックです。10月17日(土)・18日(日)のレッスンの様子をお届けします。
先週からお試しで使っている、アルスタジオのAI版「アルスタジオV」。2週目の今週は小3のSくんと小6のSaくんも初挑戦し、5人全員がAIといっしょにゲームづくりに取り組みました。
まずは準備運動 ―「もう1回」ボタンをつくる
最初のレッスンは「アルスタジオAIの使い方」。ルーレットを回すうらないゲームに、AIへの指示で「もう1回」ボタンを付け足し、用意された画像をボタンに使う練習です。全員が「もう1回のボタンをつくって」と、ほぼ同じ一言から始めました。
ここで一歩先に進んだのがSiちゃんです。ボタンはできたものの、押しても次のうらないができません。そこで「うらなうをおしても遊べない」と、困っていることをそのままAIに伝えました。

AIは、最初に「うらなう」を押したときにボタンが押せない状態になり、それを元に戻していなかったことが原因だと見つけて、直してくれました。さらに「もう1回を押したときにうらなえるようにして」と続けると、ボタンを押すだけで続けて占えるようになりました。「どうしてほしいか」だけでなく「いま何が起きているか」を伝えるのも、立派な指示です。
Sくん(小3)― はじめてのAIで「フルーツキャッチ」
土曜のベーシッククラスのSくんは、AIプログラミングが初めてです。準備運動のあと、先週3人が挑戦した「フルーツキャッチ」に取り組みました。「どんなゲーム?」「何を、どうやって動かす?」「点が入るのは、どんなとき?」「ライフはどうなってる?」の4つの質問に答えると、その答えがそのままAIへの最初の指示になります。

「ライフは最初は3から始まって果物を地面に落とすとライフが減って3回落とすと、ライフが0になってゲームオーバーになる」。ルールを順を追ってきちんと説明できていたので、AIは最初の1回で、ルールどおりに遊べるゲームを作ってくれました。
ところが、ここからが大変でした。このレッスンには、お手本になる「元のゲーム」があります。Sくんが目指したのは、それとそっくり同じにすること。ところが、見たままを言葉にして伝えても、AIが作るものは少しずつ違ってしまいます。
たとえば、フルーツを取りそこねたときに「弾ける」動き。「果物をゲットできなっかた時は果物が弾ける感じにして」をいったん取り消して「果物をとれなっかたとき、弾ける様にしてください。」と言い直し、できあがった演出を見て「かごでキャッチできなかった時は風船が割れるみたいに弾くモーションを追加して」と、たとえを使って伝え直します。さらに「フルーツの弾ける位置を少し上げて」と位置も調整。1つの動きのために、何度も言い方を変えて近づけていきました。
ほかにも、ハートの色と減り方、キャッチしたときと落としたときの効果音、くるくる回りながら落ちてくるフルーツ、ゲームオーバー画面の色、フルーツの着地点の高さ……。お手本と見比べては直す、をくり返しました。

最後はライフのハートのふちの太さです。「もうちょっと細くしてほしい」「もう少し細くして」と頼むたびに、3px、2px、1pxと細くなっていきました。最初の指示から約1時間、15回の指示。見たものを言葉だけで伝えて、そっくり同じものを作るのは、自分の好きなように作るよりずっと難しいことです。それでも最後まであきらめずに言葉を探し続けたSくん、本当によくがんばりました。
四角い主人公を「じぶんだけのゲーム」に
準備運動のあとは、いよいよオリジナルゲームのレッスン「じぶんだけのゲームを作ろう」です。最初にあるのは、灰色のマス目の上を赤い四角が走ってジャンプするだけのシンプルなゲーム。ここから「どうしたら面白くなるか」を考えて、AIといっしょに自分のゲームへ作りかえていきます。同じスタートから、5人それぞれまったく違うゲームが生まれました。
Siちゃん(小6)― 引き算もできるスイーツランド
Siちゃんの最初の指示は「背景をお菓子の国にして」。そこからひたすら背景づくりです。カップケーキ、ドーナツ、マカロン、プリン、お菓子の家、町並み……と、どんどん描き足していきました。
途中からは「プレッツェルを消して」「お菓子の城を消して」「ごちゃごちゃしているからもうちょっと整理して」と、引き算も始めます。そして最後は、思い切って「背景をやり直したい」。

「フワフワな世界観」という雰囲気の言葉でイメージを伝え、出てきた背景には「スイーツ要素がない」とダメ出し。それを受けたAIは、大きなペロペロキャンディーとカップケーキを丘の上に並べました。

背景が決まってからは、足場をクリームのせクッキーに、主人公にはかわいい顔を、敵はりんごの見た目に。ステージを長くし、穴と敵を増やして難しさも整えました。土曜日だけで34回の指示。作っては見直すをくり返して仕上げた力作です。
Hちゃん(小6)― 月夜の墓地とかぼちゃ
Hちゃんのテーマはハロウィン。「背景を ハロウィンっぽくして」で紫の夜空にしたあと、「四角を 魔法使いっぽくして」と頼みました。
ところが、このゲームには主人公のほかにも、足場や敵など「四角」がたくさんあります。どうやら主人公以外まで魔法使いの姿になってしまったようで、Hちゃんはすぐに「キャラクターだけを 魔法使い ぽくして」と言い直しました。「四角」がどれを指すのか、言葉の範囲をはっきりさせたわけです。

そのあとは背景を墓地にして墓石やかぼちゃを並べ、空中の足場は土の見た目に。主人公には黒ネコの魔法使いの画像を使いました。墓石やかぼちゃの高さも「もうちょっと高くして」と細かく調整して、雰囲気たっぷりのステージになりました。
Saくん(小6)― 大きな世界から、剣で戦うアクションへ
今週が初めてのSaくん。最初の指示は「バイオハザードみたいな周りの背景を世界が終わって建造物×植物みたいな感じにしたい キャラクターをロボットにする」でした。こわれた建物に植物が巻きつく、終わったあとの世界。頭の中には、はっきりとした世界観がありました。
さらに、新しいステージがランダムに次々と生まれる仕組みも頼みましたが、なかなか思いどおりの形になりません。そこでSaくんが選んだのは「取りあえず元の姿に戻して」。いったんリセットして、作り直す決断をしました。
仕切り直しの一言は「新しい四角い敵を作ってどちらにも剣を持たせて戦う」。主人公も敵も剣を持ち、キーを押すと剣を振れるようになりました。そこから敵を出し、ゴールを作り、ボスを登場させていきます。

画面の真ん中の大きな四角がボス、右はしの緑がゴールです。主人公も敵も、剣をかまえて向かい合っています。このボスを出すまでの流れも、Saくんが1つずつ組み立てました。「すべての敵を倒すと大きな敵を出して」と頼んだあと、大きな敵は剣を5回当てないと倒れないこと、倒されると通常の敵が5体現れることを、続けて伝えています。

1回に1つずつ、ルールを短く区切って伝えると、AIも1つずつ確実に形にしてくれます。最初につまずいても、伝え方を変えて前に進めたのが大きな収穫でした。
Mちゃん(小4)― スライムがビームで戦う、ボス戦つきの3ステージ
Mちゃんは土曜と日曜の2日間、同じゲームを作り続けました。最初の一文は「面白いゲームにしたいからブロックに顔をつけて可愛くする背景を青空にゆかとかを草原にするゴールを作ってステージ2を作る」。やりたいことがあふれています。
土曜は見た目づくり。乗るブロックを草と土にして境目をギザギザに、主人公はスライム、空には雲を浮かべました。日曜はまず、ゲームを改造するレッスン「かみなり雲をぬけて」で、雷雲のすき間と飛行機の速さを調整する練習。「もっと広げて」「いい感じ!」と、AIとのやりとりもすっかり慣れた様子です。
そのあと自分のゲームに戻り、音楽、マグマ(「めっっっちゃマグマっぽくして!!」と頼んだあと、最後は「まぐまなくして」)、スペースキーで撃つビーム、そしてたくさんのおばけを加えました。「もっとたくさんふやしてよーーー」で一気に14体になり、「最初のところ以外にばらばらに配置して」と並べ直しています。

Mちゃんがすごいのは、遊びながら不具合を見つけて、言葉で直していくところです。ビームが1匹に当たったあとも突き抜けて、2体目、3体目まで倒してしまうことに気づくと、「お化けを一体倒したらビームはそこでしょうめつさせて」。ステージ3のゴールからボス戦に進むようにしたときも、同じでした。

「ぼすせん と出されてもステージ3に戻るからぼすをたおせるようにして」「ボスのビームが高くてスライムに当たらないからビームの高さを下げて」。「いま何が起きているか」と「どうしてほしいか」を、いつもセットで伝えています。プログラムの不具合を見つけて直すことを「デバッグ」といいますが、Mちゃんはそれを言葉だけでやってのけました。最後は「ボス戦が終わったらクリアー!を出して」で完成。2日間の指示は48回にのぼりました。
Sくん(小3)― かぼちゃをよけて、のど飴を集めるゲーム
日曜は、Sくんも四角い主人公のゲームに挑戦しました。最初の指示は「コースの中にカボチャの見た目をした敵を配置して、そのカボチャに当たったらゲームオーバーの画面にしてほしい。そして背景をハロウィン仕様の背景にして、ハロウィンの楽しい音楽を追加してほしいです」。やりたいことを、ていねいな言葉で順番に書いています。
赤いキューブに顔を付け、ジャンプ中はくるっと回転するように。動く足場や穴、ゴールの飴を置き、「コースにお菓子を3つ配置してそれを全部集めてから飴に触れれば ゲームクリアにして」というルールも自分で考えました。集めるお菓子は「のど飴の見た目にして」。

仕上げは穴の位置の調整です。「最初の穴の位置を最後の部分に変えて」「ゴールの直前の穴を少し小さくして」「ゴールの直前の穴の位置を少しだけ左側に変えて」。ゴールの直前でジャンプが必要になるように、遊ぶ人のことを考えて難しさを整えていました。
やってみてわかったこと
- 「困っていること」をそのまま伝えると、AIが原因を探して直してくれます。Siちゃんの「うらなうをおしても遊べない」や、Mちゃんの「ステージ3に戻るから」がそうでした。
- 言葉の範囲をはっきりさせることが大切です。「四角」と言うと、主人公以外の四角まで含まれてしまうことがあります。
- AIは、ちゃんと指示をしないと期待どおりには動きません。大きな注文を一度にするより、短く区切って1つずつ伝えるほうが、確実に形になります。
- 足すだけでなく、消す・やり直すのも大事な判断です。Siちゃんの背景、Mちゃんのマグマ、Saくんのリセットは、どれも「やっぱりやめる」を自分で決めた場面でした。
- 見たものを言葉だけで伝えて、お手本どおりに作るのはとても難しいことです。小3のSくんは、たとえを使ったり何度も言い直したりしながら、最後まで粘り強く取り組みました。
同じ「四角い主人公」から始まったのに、できあがったのはスイーツランド、月夜の墓地、剣のバトル、スライムのボス戦、ハロウィンのお菓子集め。何を作りたいかを決めるのは、AIではなく子どもたち自身です。おうちでもぜひ「どんなゲームにしたの?」「AIにどうお願いしたの?」と聞いてみてください。
来週も楽しみに!
来週もみんなの新しい作品が楽しみです。ひなテックでは体験レッスン(初回1,000円)を受け付けています。プログラミングに興味があるお子さまは、ぜひお気軽にお申し込みください!