こんにちは!ひなテックです。10月10日の教室では、小4・小6の3人が「AIプログラミング」に初挑戦しました。
使ったのは、ふだんのアルスタジオのAI版「アルスタジオV」です。いまお試しで導入していて、子どもたちが授業で使うのは今回が初めてでした。ブロックを並べる代わりに、「こんなゲームにして」と文字でAIに伝えると、AIがプログラムを書いてゲームを作ってくれます。
まずは「どんなゲーム?」を言葉にする
お題は「フルーツキャッチ」。上から落ちてくるフルーツを、かごでキャッチするゲームです。
いきなりAIに話しかけるのではなく、最初に4つの質問に答えます。「どんなゲーム?」「何を、どうやって動かす?」「点が入るのは、どんなとき?」「ライフはどうなってる?」。この答えが、そのままAIへの最初の命令になります。

上の画像はSiちゃんの答えです。「かごを右矢印キーで右に動いて、左矢印キーで左に動く」「ライフの形はハート」と、遊ぶ人の目線でしっかり書けています。これを送ると、AIが動くゲームの最初の形を作ってくれました。ここまでは順調です。
文字で伝えるって、むずかしい
本番はここからです。「もっとこうしたい」をAIに伝えて、自分だけのゲームに作り変えていきます。ところが、これが思った以上にむずかしい。3人とも、文字で指示を出すことにはまだ不慣れでした。
Scratchなら、ブロックを見ながら「ここを変えればいい」と手で確かめられます。AIが相手だと、頭の中のイメージを全部言葉にしないといけません。「もうちょっと」「リアルに」は人どうしなら伝わっても、AIには「どのくらい」なのかがわからないのです。
Mちゃん(小4)— 「雲だけ動かして!」
Mちゃんがやりたかったのは、背景の雲を流れるように動かすこと。ところがAIに頼むと、木まで一緒に動いてしまいます。

「だから木は動かさないでよ」「雲は動かしてほしいの!!!」「そうじゃない!!!!!」。画面の向こうのAIに向かって、Mちゃんの気持ちがどんどん熱くなっていくのが伝わってきます(笑)。
実はこの背景は、雲と木が1枚の絵になっていました。AIは「雲だけの画像がないので、木も一緒に動いてしまう」と説明してくれましたが、そう言われても困ってしまいますよね。いったんは「じゃあもういいよ….」とあきらめたMちゃん。でもそのあと、「背景の画像から雲を切り抜いて、別のスプライトにして」と、自分で解決策を考えてAIに伝えていました。Scratchで覚えた「スプライト」の考え方が、AI相手にもちゃんと生きています。最後は「くもはうごかすなああああ」で雲は止めることにしたようですが、それも自分で決めたことです。

ほかにも、ライフは数字ではなく赤いハートで表示する、フルーツが回転しながら落ちてくる、いちごは小さめでバナナは大きめ、キャッチするとかごがへこむように弾む、ハイスコアを超えたら「ハイスコア更新!」と出す、スコア3点ごとにかごの中にフルーツがたまっていく、と次々にアイデアを形にしました。AIへの指示は3人の中でいちばん多い34回です。
Hちゃん(小6)— 音声入力で「なんでちゃんと作ってくれないの!」
Hちゃんは、キーボードで打つ代わりに音声入力にチャレンジしました。しゃべった言葉が文字になって、そのままAIに届きます。
こだわったのは、フルーツを取りそこねたときの演出です。「地面に落ちてぐしゃぐしゃになる」「破片が多く飛び散って」「画面にバシャっと」「バナナが落ちる時の汁は黄色」と、どんどんリアルさを追いかけていきます。

ところが、AIはなかなか思った通りにしてくれません。教室には「なんでちゃんと作ってくれないの!」というHちゃんの叫び声が響きました(笑)。それでも言い方を変えながら頼み続け、最後は「もう実習でも何でもいいから とりあえず リアルにして」。音声入力ならではの、ちょっと不思議な言い回しも飛び出しました。
落ちるスピードも、「バナナをめちゃくちゃ遅くして」「少し早くして」「りんごといちごと同じにして」と何度も調整しました。AIは「速さを3.2から2.6に下げました」のように数字で答えてくれるので、言葉と数字の関係を少しずつつかんでいく時間にもなりました。
Siちゃん(小6)— 遊ぶ人のことを考えたスタート画面

Siちゃんは、ゲームの「入り口」をていねいに作り込みました。エンターキーでスタートするようにして、その前にゲームの説明を表示。スタート画面とゲームオーバー画面は背景を少し暗くして、文字が読みやすくなるようにしています。
フルーツを落とすと、右上のハートが左から1つずつ空っぽになっていく仕組みもSiちゃんの指示です。「着地の判定位置を草原の高さの半分くらいにして」「もっともっと上にして」と、見た目と当たり判定のずれも自分の目で確かめて直していました。思った通りに動かないときは「ボタン操作がうまくいってないので確認して」とAIに頼むなど、AIを相棒のように使えていました。
やってみてわかったこと
初めてのAIプログラミングを終えて、講師として感じたことを正直に書いておきます。
- 文字で指示を出すのは、子どもにとって想像以上にハードルが高いです。「何を」「どこを」「どのくらい」を言葉にする力が必要になります。
- AIは、ちゃんと指示をしないと期待通りには動いてくれません。言ったつもりでも伝わっておらず、思った通りにならない場面がたびたびありました。
- Scratchのように、見て・さわって直感的に作ることはできません。うまくいかないときに、どこを直せばいいのかが見えにくいのも難しいところです。
- こうしたことから、AIプログラミングは小学校高学年くらいからが取り組みやすそうだと感じています。
一方で、「どう言えば伝わるか」を考え続ける経験は、とても貴重でした。うまくいかなくて叫んだり、言い方を変えてみたり、自分で解決策を考えたり。相手にわかるように伝える力は、プログラミングに限らず大切な力です。
AIプログラミングは引き続きお試し中です。ふだんのScratchやアルスタジオでの学びと組み合わせながら、子どもたちにとっていちばん良い使い方を探していきます。おうちでもぜひ「AIにどんなお願いをしたの?」と聞いてみてください。
来週も楽しみに!
来週もみんなの新しい作品が楽しみです。ひなテックでは体験レッスン(初回1,000円)を受け付けています。プログラミングに興味があるお子さまは、ぜひお気軽にお申し込みください!