🏫 先生向けガイド

例⑤「AIにゲームを作ってもらおう」

対象中学1年〜(高校でも可) 時間45分×1(50分でも同じ配分) 教科技術・家庭 技術分野「D 情報の技術」/情報Ⅰ 段階⑥ 自分で作る 端末1人1台・キーボード必須。生成AIが使える環境(下の注意を参照)

ねらい

AIを「答えをもらう道具」ではなく「うまく頼む相手」として扱う回です。 コードを1行も書きませんが、要件を分解して伝える力とエラーを読んで対処する力は、コードを書くときと同じものです。 技術分野「D 情報の技術」(4)「社会の発展と情報の技術」で、これからの技術との付き合い方を考える材料にもなります。

⚠️ 生成AIの利用について(先に確認)

生徒が直接AIに入力するかどうかは、学校・自治体の生成AI利用方針に従ってください。 生徒が使えない場合は、先生の端末でAIに頼む場面を映し、生徒は「頼み方の文章」を考えて先生に渡す形にすると同じねらいで実施できます。 本サイトのプレイグラウンド(コードを貼って動かす場所)はAIを内蔵しておらず、貼ったコードはサーバーに送られません。

準備

必ず入れる2行(テンプレート)

次の条件で、ブラウザで動く簡単なゲームを作ってください。
・HTML・CSS・JavaScriptを1つのHTMLファイルにまとめてください
・外部ライブラリは使わないでください
・(ここから生徒が考える条件)
・画面をクリックすると◯◯が△△する
・点数を画面に表示する
・…

最初の2行がないと、複数ファイルに分かれたり外部の部品を読み込んだりして、プレイグラウンドに貼っても動きません。 「この2行はおまじない」と言い切って構いません(理由は、まとめで触れます)。

進行(45分)

時間活動先生の動き・ポイント
5分 導入 プレイグラウンドのサンプルを実行して見せる。「これを1行も書かずに作れます」 期待を上げすぎない。「動かないことも普通にある。今日はそこからが本番」と先に言っておく
10分 頼み方を考える 作りたいゲームを条件の箇条書きにする(5行まで)。必ず入れる2行を足す 「面白いゲーム」は条件ではない。「クリックしたら」「点が増える」「10秒で終わる」のように動きで書くよう促す。大作は止めて、1画面で終わるものに絞る
15分 実行 AIに頼み、出てきたコードをプレイグラウンドに貼って動かす 動いた子にも「条件どおりになってる? 抜けてる条件は?」と聞く。動かなかった子には「いい、それが今日の本題」と声をかける
10分 直す エラー欄の内容をそのままコピーしてAIに伝え、直してもらう。動いたら条件を1つ足してもう1往復 「エラーを自分で読んで直す」必要はない。そのまま貼って伝えることが正しい対処だと教える。何回往復したかをシートに書かせる
5分 まとめ うまくいった頼み方を出し合う。「曖昧に頼むと曖昧なものが返る」 「最初の頼み方と、最後の頼み方はどう違った?」。人に仕事を頼むときと同じだと結ぶ

発問の例

頼み方:「『面白いゲーム』と頼んだら、AIは何を作ると思う? 人に頼むときだったら?」
頼み方:「その条件、友だちが読んで同じゲームを思い浮かべる?」
実行:「出てきたコード、条件が全部入ってる? 入っていない条件をどう伝え直す?」
直す:「エラーには何て書いてある? 読めなくていい。そのまま伝えたらどうなる?」
まとめ:「AIが作ったゲームは、誰が作ったことになる? 条件を考えたのは誰?」

つまずきと手立て

よくある様子手立て
条件が「面白い」「かっこいい」のような形容詞だけ「クリックしたら何が起きる?」と動詞で書かせる。1つ書ければ続く
大作を頼んでコードが長すぎる/途中で切れる「1画面・1操作・10秒で終わる」に絞らせる。切れたら「続きを出して」ではなく、条件を減らして頼み直す
貼っても真っ白で何も出ないコード全体を貼れているか(<html>から最後まで)確認。エラー欄に何か出ていれば、それをAIに貼る
「エラー=自分には無理」と落ち込む下の囲みのとおり。先生がわざとエラーを出して見せるのが一番効く
動いた子が手持ちぶさた「条件を1つ足して、もう1往復」。足す条件を考えるのも頼み方の練習
AIが使えない環境生徒は頼み方の文章を書き、先生が代表して数件をAIに入力して映す。往復の場面はクラス全体で見る

⚠️ エラーは失敗ではありません

プレイグラウンドにはエラー表示が付いていて、「カッコが閉じていません」「その名前が見つかりません」のように日本語の手がかりが出ます。 コードが動かないとき、多くの子は「自分には向いていない」と受け取ってしまいます。 「エラーは、どこを直せばいいか教えてくれるメッセージ」だと最初に伝えておくと、その後の粘り強さがまるで変わります。 授業では、あえて1文字消してわざとエラーを出して見せるのがおすすめです。

ふり返りと評価

ふり返りは「頼み方シート」がそのまま材料になります。最初の頼み方と最後の頼み方の差を見ます。

観点こう言えたら分かっている
知識・技能作りたいものを、動きで書いた条件の箇条書きにできる。エラーをそのまま伝えて直してもらう手順を知っている
思考・判断・表現出てきたものと条件を照らして、足りない条件・曖昧だった条件を見つけ、頼み方を直せる
主体的に学習に取り組む態度動かなくても往復を続けている。往復の回数と、そのたびの変更が記録されている

できあがったゲームの出来映えは評価しません。AIが作った部分と生徒が考えた部分を分けて見るためです。

別の時間につなげるなら

配るURL

用途URL
⑥ プレイグラウンド(コードを貼って動かす)https://hinata-ya.tech/games/tutorials/ai-game-dev/
参考:既存ゲームのコードを書きかえるhttps://hinata-ya.tech/games/games/2048/source/(2048は他のゲーム名に置きかえ可)