🏫 先生向けガイド

中学校 技術・家庭「D 情報の技術」での使い方

中学校の技術・家庭科 技術分野では、プログラミングは内容「D 情報の技術」の中で扱います。 このページは、ひなテックGamesの教材(実際に公開されて動いているWebアプリのソースコードを、ブラウザ上で読み・その場で書きかえて動かせる)が 「D 情報の技術」のどこに当てはまり、どこには当てはまらないかを整理し、2〜4時間の単元案と教材の選び方をまとめたものです。 インストール・アカウント登録は不要で、1人1台端末のブラウザだけで動きます。

小学校での位置づけ(B・C分類)や6段階の道すじ、安全性、Google Classroomでの配布方法はガイド トップにあります。

「D 情報の技術」との対応

現行の学習指導要領(平成29年告示)では、「D 情報の技術」は次の4項目で構成され、 プログラミングを扱うのは(2)と(3)です。 本サイトが力になれるのは(1)・(4)と、(2)に入る前の「コードを読み書きする力」の準備です。(3)には対応しません。

項目本サイトの位置づけ使うページ
(1) 生活や社会を支える
情報の技術
段階④。実際に社会で動いているWebアプリの中身をそのまま読めます。説明用に書き直したコードではなく、生徒が遊んでいるゲームそのもののコードです。「HTMLが構造・CSSが見た目・JavaScriptが動き」という3つの言語の役割分担が、1本のゲームの中で見えます 各ゲームの「ソースコードを見る」
(2) ネットワークを利用した
双方向性のあるコンテンツの
プログラミングによる
問題の解決
段階④⑤⑥の前段の練習として。本サイトのゲームは1人で遊ぶ構造で、双方向性のあるコンテンツを生徒が制作する教材ではありません。この項目を直接ねらう教材ではなく、制作に入る前に、変数・分岐・反復を実物のコードで読み、書きかえて確かめる準備と位置づけてください ソースページの「書きかえて動かす」
(3) 計測・制御の
プログラミングによる
問題の解決
対応しません。センサやアクチュエータを扱わないためです —
(4) 社会の発展と
情報の技術
段階⑥。生成AIにコードを書かせ、動かし、直させる体験は「これからの情報の技術とどう付き合うか」を考える具体的な材料になります。AIが「確率で答えている」ことを体験できる画像認識AIの解説ページもあります 授業案 例⑤・AI時代のゲームの作り方

※ 項目名は文部科学省の公開資料に基づきます。各段階への当てはめは本サイト運営者による整理で、文部科学省が示したものではありません。実際の指導計画に合わせて取捨選択してください。

中学生向けの教材の選び方(コードが読みやすい順)

全ゲームにソースページがありますが、初めてコードを読む中学生には、ルールが単純で「読みどころ」がはっきりしているものから始めるのが向いています。 右の列が、そのゲームのコードで1か所だけ読むならここという箇所です。

ゲーム読みどころ(1か所だけなら)扱える概念
2048 同じ数が並んだら × 2 して合体する数行。さらに、盤面を回転させて上下左右4方向の処理を「左に動かす」1つにまとめている工夫 配列・反復・分岐・関数(処理の共通化)
迷路ゲーム 迷路を自動で作る部分。「行けるマスがあれば進む、なければ戻る」をスタック(配列)で実現している アルゴリズム・2次元配列・スタック
ブロック崩し パドルのどこに当たったか(0〜1)を角度に変え、cos・sinで横と縦の速さに分ける計算 変数・関数・三角関数(数学とのつながり)
神経衰弱 カードの配列をシャッフルする処理と、「2枚めくったら比べる」状態の管理 配列・乱数・状態(フラグ)
タイピングゲーム キー入力と、お題の文字列の「今何文字目か」を比べる処理 文字列・イベント・変数
リバーシ 盤面の2次元配列と、置いた石からひっくり返せる石を探す処理 2次元配列・反復のネスト・条件分岐

各ソースページには、ファイルごと(HTML・CSS・JavaScript)の解説と、「このコードを書きかえて動かす」欄があります。 数値を変えて実行すると、その場でゲームが変わります。サーバーには何も送られません。

単元案(2〜4時間)

1時間ずつ独立しているので、時数に合わせて途中で切っても、順番を入れかえても構いません。 Scratch経験がない学級は1時間目を、ある学級は2時間目から始めてください。

時活動(段階)ねらいと進め方
1 ブロックを1つ変える(②③)
授業案 例④
Scratch版で「予想→変更→確認」。数に名前がついている(変数)ことを体で覚える。中学生なら2048や迷路のScratch版でも可
2 コードを読む(④)
同じゲームのソースページ
1時間目に変えた数と同じ役割の変数をJavaScriptの中で探す。ScratchとJavaScriptの対応表で「ずっと=requestAnimationFrame」「もし=if」をつなげる。ワークシートは「変数の名前/何を覚えている数か/どこで使われているか」の3欄
3 コードを書きかえる(⑤)
ソースページの「書きかえて動かす」
「直したい動き」から逆に「どの数を変えればよいか」を探して書きかえる。エラーが出たら戻して試し直すことを経験させる(エラー表示は日本語の手がかりつき)。ふり返りは「変えたところ/予想/実際」の3点
4 AIに作ってもらう(⑥)
授業案 例⑤
作りたいものを条件の箇条書きにしてAIに頼み、動かし、エラーを伝えて直してもらう。2〜3時間目で「どこを見れば何が変わるか」の見当がついているので、AIが出したコードにも手が出せる。(4)社会の発展と情報の技術の話し合いにつなぐ

1時間だけなら:2048のソースを開き、合体の処理にある × 2 を × 3 に書きかえて動かす。出てくる数が 2, 4, 8… から 2, 6, 18… に変わり、値と挙動の関係が目で見えます(該当のコードはこちら)。

生徒のつまずきと手立て

よくある様子手立て
コードを最初から全部読もうとして止まる「全部は読まない」と最初に宣言する。読むのは1か所(上の表の「読みどころ」)。それ以外は「今日は見なくていい」
{ } や ; の記号に気を取られるScratchのブロックの「くぼみ」と同じで、まとまりを示す記号と説明する。対応表の図を横に置く
英語の変数名が読めないソースページの解説に日本語の意味がある。「名前は人間が決めたもの。ballSpeed は『ボールの速さ』と決めただけ」と、名前は約束にすぎないことを伝える
書きかえてエラーが出て固まる「元に戻す」で戻せる。エラー表示を読ませ、「どこを直せばいいか教えてくれるメッセージ」と扱う。わざとエラーを出して見せると怖さが減る
数を変えても何も変わらない「実行」を押し直したか確認。ゲーム開始時にしか読まれない値(初期値)は、リスタートしないと反映されない
できる生徒が先に進んで退屈する「別のゲームで同じ役割の変数を探す」「変えた数を元に戻さずに、さらに別の1か所を変えて意図した動きにする」と課題の質を上げる

評価(見取り)の観点

スコアは評価に使いません(上手い生徒ほど高い点が出るだけで、何を考えたかは表れないため)。段階ごとの目安です。

段階こう言えたら分かっている主に見る観点
④ コードを読む変数が何を覚えているか、条件が何を分けているかを自分の言葉で言える。HTML・CSS・JavaScriptの役割の違いを説明できる知識・技能
⑤ コードを書きかえる直したい動きから逆に「どの数を変えればよいか」を探せる。エラーが出ても戻して試し直せる思考・判断・表現
⑥ 自分で作る作りたいものを他人に伝わる条件に分解できる(AIへの指示の文章がそのまま評価材料になる)思考・判断・表現/態度

ふり返りは「変えたところ/予想/実際どうなったか」の3点を1〜2行で。詳しくはガイド トップの「評価(見取り)の観点」。

動作環境と安全性

よくある質問

技術科の免許外担任・経験の浅い教員でも扱えますか?

扱えます。段階④⑤(コードを読む・書きかえる)は、ソースページに変数や関数の役割の解説がついており、先生が全部を読める必要はありません。「この数を変えたら何が起きるか、予想してから試す」進め方なら、答えを先生が知らなくても授業が成立します。

「D 情報の技術」の(2) 双方向性のあるコンテンツの制作に使えますか?

直接は使えません。本サイトのゲームは1人で遊ぶ構造で、ネットワークを介したやりとりを生徒が制作する教材ではないためです。(2)を扱う前に、コードを読み・書きかえる力をつける準備教材として位置づけてください。

1時間だけで扱うなら何をすればいいですか?

「2048のソースを開き、合体の処理にある × 2 を × 3 に書きかえて動かす」だけで1時間が成立します。出てくる数が 2, 4, 8… から 2, 6, 18… に変わるので、値と挙動の関係が目で見えます。

タブレット(iPad)だけの学級でも進められますか?

段階①〜③(遊ぶ・Scratchで中を見る・作りかえる)は進められます。段階④⑤のコードを書きかえる活動は文字入力があるため、キーボードのある端末(Chromebook・Windows・外付けキーボードのiPad)をおすすめします。

生徒が書きかえたコードは保存できますか?

ソースページの「書きかえて動かす」はブラウザ内だけで動き、サーバーには保存されません。残したい場合は、書きかえたコードをコピーして学校のドキュメントに貼るか、変更点をワークシートに記録させてください。

高校の情報Ⅰとはどうつながりますか?

情報Ⅰの(3)コンピュータとプログラミングで扱う配列・反復・分岐・関数を、同じゲームのコードで読めます。情報Ⅰ向けに、実際のゲームのコードを題材にした読解問題ページも用意しています。

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